三重県:2000年日本グランプリ (4輪)(JP184)


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Oct 26, 2015

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昨日の灼けるような日差しのなか行われた予選とはうって変わって,厚い雲に覆われた鈴鹿の空。時おり雨粒が顔に当たりもしますが,路面を濡らすまでは至りません。

 フォーメーションラップを終えてスターティンググリッドに並ぶ各車,なんとハッキネンの後方からは白煙が上がっています。まさかトラブルが発生したのか?

 そしてスタート,動き出すなりハッキネンの方にクルマを寄せるシューマッハー,しかしスタートダッシュに成功したハッキネンは1コーナーに達する前に前に出てしまいました。白煙も見えなくなり,トラブルは杞憂に終わったのかもしれません。

 ハッキネン,シューマッハー,クルサード,ラルフ,アーバイン,バリチェッロ,バトン,ハーバート,そしてヴィルヌーヴという隊列で序盤のレースは展開しています。

 ハッキネンとシューマッハーの差は1秒前後。しかし徐々にハッキネンがタイムアップ,シューマッハーとの差を少しずつ拡げつつあります。

 7周目,最終シケインでヴィルヌーヴがハーバートを捕らえて8位に。スペシャルエンジンを搭載して地元GPに臨んだホンダの気合いが走りにも現れているようです。

 10周目,フェルスタッペンがピットに戻り,そのままマシンを引っ込めて,リタイア第一号となりました。

 14周目,最初にタイヤ交換のピットストップを行ったのはディニス。17周目にはアーバイン,18周目にはマッツァカーネと,そろそろ1回目のピットストップのタイミングに差し掛かってきた模様。

 21周目,S字の飛び込みでアレジがエンジンブローによるスピンアウト,一旦はセーフティカー導入のサインが出ましたが,これはキャンセルされました。

 23周目にはハッキネンがピットイン。これでシューマッハーが暫定トップに立ちます。どこまで引っ張るつもりかと思えば次の周にはシューマッハーもピットイン。若干作業に手間取ってしまったか,コース復帰はハッキネンの後方から。

 31周目,フレンツェンがホームストレートでスローダウン,1コーナー手前でクルマをコース脇に寄せてリタイア。無限の地元だけに残念。

 32周目,ハッキネンとシューマッハーの差がかなり詰まってきました。平均のラップタイムも落ち始め,これはどうやら雨の影響が現れ始めた模様です。ホームストレートはさほどでもないのですが,西コースではやや多めに雨が降っているようです。

 39周目,ハッキネンが2度目のピットイン。タイヤはドライのまま,まだウェットコンディションというほどにはコースは濡れていません。41周目にはバリチェッロ,クルサードもピットイン。いずれももちろんドライタイヤです。

 42周目,シューマッハーがピットイン。タイヤ交換と給油を終え,シューマッハーが動き出した時にはハッキネンはまだ130Rを立ち上がったところ。最終コーナーを抜けるハッキネンを後目にコースに復帰するシューマッハー,トップに立ちました! よっしゃああああああ~!(メモ用ボイスレコードからそのまんま引用)

 同じ42周目,2コーナーでラルフがスピンアウト。これでヴィルヌーヴの順位が6位に上がりました。

 雨は依然として止むことなくラップタイムが段々と落ちてきますが,コンディションとしてはドライを保ったままレースは終盤に向かいます。

 特に何事もなく周回は重ねられ,残り2周からグランドスタンドの観客は総立ち

 そして53周のレースを終え,ついにシューマッハーが優勝! 自身3回目,フェラーリに在籍してからは初めての,そしてフェラーリとしては21年ぶりのドライバーズチャンピオン獲得!

 ジル・ヴィルヌーヴでも,アラン・プロストでも,ジャン・アレジでも成し遂げることができなかった,そして生きていたらセナが達成していたかもしれなかったフェラーリでの偉業を,ミハエルがついに達成することができました!

 彼を讃えるチームのスタッフ,ジャン・トッド,そしてハッキネンともがっちり握手。マイケルの一挙手一投足に,観客からいちいち歓声と拍手が起こります。表彰台ではイタリア国歌にあわせて指揮のポーズをとるなど,いつになくおどけてみせる彼の姿に,イタリアGPでの涙の姿が被さって,見ているこちらも少しだけ涙を流してしまいました。

 毎年思うことですが,日本GPがこんな素晴らしいチャンスに恵まれていることに感謝します。こんな歴史的瞬間をこの目で見られて,幸せといわずに何と言いましょうか。

 なんだかもう全てが終わってしまった気分の日本GPですが,シーズンは残り一戦。チャンピオンが決まった後の最終戦というのは,すべてのドライバーが誰にも気兼ねなく実力を発揮できる場として,これはこれで楽しいものです。

 その最終戦が行われるのは美しいレイアウトの南国マレーシア,セパンF1サーキット。記念すべき2000年シーズンを締めくくる一戦,最後まできちんと見届けましょう。

順位

 1:ミハエル・シューマッハ  フェラーリ

 2:ミカ・ハッキネン      マクラーレン-メルセデス

 3:デビッド・クルサード   マクラーレン-メルセデス

 4: ルーベンス・バリチェロ フェラーリ

 5:ジェンソン・バトン  ウィリアムズ-BMW

 6:ジャック・ヴィルヌーヴ  BAR-ホンダ

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