淡島 寒月(安政6年10月23日(1859年11月17日) - 1926年(大正15年)2月23日)は、明治時代の日本の作家、画家、古物収集家である。
淡島 寒月(あわしま かんげつ、安政6年10月23日(1859年11月17日) - 1926年(大正15年)2月23日)は、明治時代の日本の作家、画家、古物収集家である。
父親は画家の淡島椿岳。長女は教育者・政治家の木内キヤウ(日本初の女性の公立学校校長となり第1回参議院議員選挙で参議院議員ともなった)。
伯父は幕末の大富豪の伊藤八兵衛。広範な知識を持った趣味人であり、元禄の作家井原西鶴を再評価し、幸田露伴や尾崎紅葉など文壇に紹介したエピソードで有名である。
収集家としても有名であり、住居の梵雲庵には3000あまりの玩具と江戸文化の貴重な資料があったが、関東大震災の際に全て焼失した
本文内容見本
寺内の奇人団 淡島寒月
水族館の近所にある植込を見ると茶の木が一、二本眼につくでしょう。あれは昔の名残《なごり》で、明治の初年には、あの辺一帯茶畠で、今活動写真のある六区は田でした。これが種々の変遷《へんせん》を経て、今のようになったのですから、浅草寺寺内のお話をするだけでもなかなか容易な事ではありません。その中で私は面白い事を選んでお話しましょう。
明治の八、九年頃、寺内にいい合わしたように変人が寄り集りました。浅草寺寺内の奇人団とでも題を附けましょうか、その筆頭には先《ま》ず私の父の椿岳《ちんがく》を挙げます。私の父も伯父も浅草寺とは種々関係があって、父は公園の取払《とりはらい》になるまで、あの辺一帯の開拓者となって働きましたし、伯父は浅草寺の僧侶の取締みたような役をしていました。ところで父は変人ですから、人に勧められるままに、御経も碌々《ろくろく》読めない癖に、淡島堂の堂守《どうもり》となりました。それで堂守には、坊主の方がいいといって、頭をクリクリ坊主にした事がありました。ところで有難い事に、淡島堂に参詣の方は、この坊主がお経を出鱈目《でたらめ》によむのを御存知なく、椿岳さんになってから、お経も沢山 誦《よ》んで下さるし、御蝋燭《おろうそく》も沢山つけて下さる、と悦んで礼をいいましたね。堂守になる前には仁王門の二階に住んでいました。(仁王門に住むとは今から考えたら随分 奇抜《きばつ》です。またそれを見ても当時浅草寺の秩序がなかったのが判《わか》ります。)この仁王門の住居は出入によほど不自由でしたが、それでもかなり長く住んでいました。後になっては画家の鏑木雪庵《かぶらぎせつあん》さんに頼んで、十六羅漢《じゅうろくらかん》の絵をかいて貰《もら》って、それを陳列して参詣の人々を仁王門に上らせてお茶を飲ませた事がありました。それから父は瓢箪池《ひょうたんいけ》の傍で万国一覧という覗眼鏡《のぞきめがね》を拵《こしら》えて見世物を開きました。眼鏡の覗口《のぞきぐち》は軍艦の窓のようで、中には普仏戦争とか、グリーンランドの熊狩とか、そんな風な絵を沢山に入れて、暗くすると夜景となる趣向をしましたが、余り繁昌したので面倒になり知人ででもなければ滅多《めった》にこの夜景と早替りの工夫をして見せませんでした。
代表作品
『江戸か東京か』 『亡び行く江戸趣味』 『西鶴雑話』
名作速読朗読文庫は、聞いても読んでも楽しめる日本の名作集です
寝ていても読書ができます 耳で聞くと、記憶に残り楽しい余韻があります
名作速読朗読文庫vol.469上村 松園全集読上機能付きProfessional版
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vol 件数 選択 作家名 タイトル カテゴリー 文字数 文字量
469 1 日本文学 淡島 寒月 江戸か東京か 随筆 7294 大
469 2 日本文学 淡島 寒月 活動写真 随筆 3064 中
469 3 日本文学 淡島 寒月 銀座は昔からハイ随筆 2218 小
469 4 日本文学 淡島 寒月 寺内の奇人団 随筆 2649 小
469 5 日本文学 淡島 寒月 諸国の玩具 ―― 随筆 2998 小
469 6 日本文学 淡島 寒月 凧の話 随筆 2972 小
469 7 日本文学 淡島 寒月 土俗玩具の話 随筆 1703 小
469 8 日本文学 淡島 寒月 亡び行く江戸趣味随筆 4547 中
469 9 日本文学 淡島 寒月 梵雲庵漫録 随筆 3826 中
469 10 日本文学 淡島 寒月 明治十年前後 随筆 864 小
469 11 日本文学 淡島 寒月 我が宗教観 随筆 1977 小
合計冊数 合計文字数 34112
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□ただ聞くだけ
□文学の内容量の大小から選択可
□完了した読書量を数値でグラフ化
□現在の速読スピードを数値化
□設備は必要なし PC設置不要、ネット環境不要
読みは 機械による自動読みです 読みに誤りがある場合はご連絡をいただけば、可能な限り、修正いたします
更新作業をすれば、正しい読みとなります
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